不眠 素問 霊枢 難経

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睡眠について 古典の考え方です。

◆五藏生成論篇第十.(素問)
夜、床に入ると血は肝に帰る。目覚めている時は血が働いてよく物を視ることができる

◆寒熱病第二十一.(霊枢)
陽気が盛んであれば目がパッチリと開き、陰気が盛んであると瞼が重くなって閉じる

◆口問第二十八.(霊枢)
夜になって陰気が上って脳を占め、陽気が下って臓腑に入ると人は完全に眠ります。しかし、夜になっても陰気が下にあって陽気が上にあると、陽気は上から陰気を引き上げ、陰気は下から陽気を引き下ろそうとしますので、互いに引っ張り合うことになって欠伸が出るのです。

◆邪客第七十一.(霊枢)
邪気が人体に侵入すると、ときに不眠症になって安臥していられなくなることがあるが何の気がそうさせるのか?
陽気は直接に手足の末端や皮膚や肉の割れ目等の比較的浅い所に行き、それらを充実させて温めます。昼間は陽の部分を巡り、ついで陰の部分腎・心・肺・肝・脾と五臓を循環する。ところが厥逆を起こさせる邪気が五臓六腑にありますと衛気は陽の部分だけを循環し、陰の部分には邪気に邪魔されて入れません。このように衛気が陽の部分にだけあるため陽気が盛ん夜になっても陰の部分に入れず、その為陰の部分は虚して安静を保たれず、陽気が目から出たり入ったりして眠られないのです。

◆第四十六難.(難経) および、栄衛生会篇第十八(霊枢)もほぼ同様。

老人は寝ても眠られない。若い人は寝てもなかなか目覚めにくい。これはどうしてか?

若い人は血気盛んだから肌肉も滑らかだし、気道つまり経絡の流れも順調で栄衛の気の循環も正常である。そのために昼間は頭がよく働き、夜になると栄衛の気が内に入るから眠れるのである。老人は血気の働きが衰えている。肌肉が滑らかではない。栄衛の気の循環も渋ってくる。そのために昼間は頭が働かず、夜になっても栄衛の気が内に落ち着かず熟睡できない。)
老人は若者と違い、気血の流れが衰えているため睡眠と覚醒のリズムが崩れる。また、老人は津液の不足で虚熱が発生しそれが上焦・目などに出てきて早く目覚めることが多い。老人は昼寝して、夜間は睡眠が短く・浅い。

◆虚労病諸候:上・三十九論:三十条(諸病源候論)
(大病の後、病人の臓腑の虚衰がまだ回復せず、栄衛もまだまだ調和していないために、容易に虚寒虚熱の証候が生産される。たとえば陰気が虚していれば、衛気は独り陽のみに行き、陰に入ることが出来ないために、陰虚陽盛の不眠症が形成される。もし心煩によって不眠になるのは心経の虚熱によるものが多い。もし唯、虚煩によって不眠になるのは胆の虚寒であることが多い。)
大病後に起こる陰虚陽盛、心煩、胆の冷え等での不眠症がある。

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