水墨画の愉しみ その1

目の前に、松の盆栽があり、50年以上は経っている。
その松には、苔や石が配され、それぞれの世界を構成している。年代を彷彿させるが、意外と葉の緑は鮮やかでしっかりしている。

まず葉を画くことから始める。
葉は濃いめの墨で一本一本画いていく。下から上へと画くのだが、長い直線を画くのが難しい。太い筆を刷毛のように用いる技法も合わせて学んだ。

今度は根をつけて扇形に画いていく。要をつけていくのだが、そこを意識しながら画く。

その後、放射線に画いたものを一組として、その始点の違ったものを三組で一体とし、それを三体つくる。奇数で表する事。

今度は枝を画く。3種の墨を用意し、まず一番薄いもので大体の枝の輪郭を画く。手前は太めに、上は細めにしてみた。

そこで、亀甲状の班点を入れていく。2番目の墨で点を入れ、それを散らしたり、線を入れていく。一筆毎に墨の濃度や水の乾き具合をみながら入れていく。単調にならないように複雑にしていく事。

班点は白いものと黒いものがある。これらを様々な階調であらわす。古い松にうろこ状の樹皮をあらわす。

最後に手前の枝に濃い目に全体に墨を入れて強調する。そのことで奥行きが出る。

松の葉の鮮やかさは生命の象徴であり、枝の変化は長い時間の痕跡を表現する。

日本の伝統絵画の技法を学びながらその自然観を垣間見ることができて、水墨画を愉しみました。

ご覧いただきありがとうございます。 新潟県 長岡市  わかさ 鍼灸 整骨院 はり きゅう koukichi-wakasa.com

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